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認知症の原因となる病気と治療

皮質性疾患による認知症

脳の神経細胞が、なんらかの原因でしだいに壊れていってしまうことによって起こる認知症です。脳の中でどのような異常が起こってきているかは、MRIによる画像などでかなり明らかになってきていますが、なぜ脳の神経細胞が壊れはじめるのか、今のところよくわかっていません。

代表的な疾患としては、アルツハイマー型認知症ピック病びまん性レビー小体病などがありますまた、皮質下性の認知症としては、進行性核上性麻痺、パーキンソン病、ハンチントン病などがあります。

脳血管性認知症

脳の血管がつまる(梗塞を起こす)ことによって脳の機能が低下し、認知症の症状が現れるものをいいます。代表的な疾患としては、脳梗塞後の認知症ビンスワンガ−病などがあります。
※日本では、「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」が多くなっています。

脳代謝性認知症

内科的な疾患が臓器にあるために、脳に悪影響を及ぼし知能低下をまねくものです。代表的な疾患としては、肝臓障害で起こる肝性脳症、肺の病気で起こる低酸素脳症、腎不全で起こる尿毒症性脳症、ビタミン不足で起こるウェルニッケ脳症、甲状腺機能低下症などがあります。

正常圧水頭症による認知症

頭蓋骨と脳の間には、脳を保護するために脳脊髄液という液体が循環しています。この脳脊髄液は、脳の中心部にある脳室という部屋にも存在していますが、脊髄液の循環経路の閉塞がないにもかかわらず脳脊髄液が脳室内に過剰にたまってしまう病気が正常圧水頭症です。くも膜下出血の後遺症でも起こりますが、原因がよくわからない例もあります。この場合も、脳に悪影響を及ぼし知能低下をまねくものです。

脳腫瘍による認知症

脳に発生する腫瘍だけでなく、他の臓器から脳への転移性腫瘍も認知症の原因となることがあります。

慢性硬膜下血腫による認知症

頭蓋骨と脳の間にある静脈が切れることによって起こります。頭部を打撲して1〜3か月たって症状が現れますが、本人も忘れている程度の軽い打撲でも起こることがあります。アルコール多飲者に多いといわれています。

感染性疾患による認知症

以前は脳梅毒が代表的な疾患でしたが、他にウイルス性脳炎の後遺症、エイズ、クロイツフェルドヤコブ病(狂牛病と類似)なども認知症の原因となります。

薬物による認知症

多量の精神安定剤や、降圧剤で血圧を過度に下げすぎた場合、糖尿病の治療薬で低血糖になっている場合なども認知症の原因となることがあります。

薬物療法について

ここ数年の間に痴呆症の薬物療法は、大きく進歩しました。

コリンエステラーゼ阻害剤

薬物療法の最も大きな進歩は、コリンエステラーゼ阻害剤が使用可能になったことです。アルツハイマー病やレビー小体型痴呆症では脳の神経伝達物質であるアセチルコリンが減少しますが、コリンエステラーゼ阻害剤は脳のアセチルコリンの分解を妨げる薬剤です。残念ながら、脳の神経細胞の脱落を防ぐ薬ではないので、根治療法とはいえませんが、多くの患者さんで認知機能や精神症状の改善が報告されています。

抗うつ薬

痴呆症の初期には、うつ病の合併のために、状態が悪化する場合が少なくありません。従来の抗うつ薬は認知機能を低下させる作用があったのですが、副作用の少ない抗うつ薬が開発され、痴呆患者さんにも用いることができるようになりました。

神経遮断薬

興奮や暴力などのいわゆる問題行動に対して用いられる神経遮断薬も、以前に比べて副作用の少ない薬が開発されてきています。このほか、患者さんの状態に応じて、ビタミン剤や血流改善薬などが用いられます。ただし、薬物療法は痴呆症の種類や患者さん個々の状態によって、慎重に選択し調節することが重要です。

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