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ぼけと認知症
ぼけと認知症
認知症(痴呆)とぼけには違いがあるのでしょうか?ある程度年齢を重ねた高齢者の場合、多少の物忘れをするようになるのは当たり前であり、多くの高齢者が物忘れを経験していることと思います。これは生理的な脳の老化によるものであり一般にぼけと言われるものです。それとは違って認知症(痴呆)は脳の働きのうちで特に記憶や判断能力など知的な活動が低下してしまった病的な状態を言います。ですから最近物忘れをよくするようになったと言って安易に認知症(痴呆)を恐れる必要はありません。認知症(痴呆)には大きく分けて2つのタイプがあります。『脳血管性認知症(痴呆症)』『アルツハイマー型認知症(痴呆症)』と言われるものです。
脳血管性認知症(痴呆)
脳の血管が詰まる脳血栓や血管が破れて起こる脳出血などにより、脳の組織が破壊されてしまうことが原因となります。身体にも梗塞による異常が見られる場合があります。病状は比較的早く進行します。
アルツハイマー型認知症(痴呆)
脳全体が萎縮してしまい、年相応の老化の範囲を超えて脳の働きが衰えてしまう。記憶に新しいところではレーガン元大統領の例などがあります。原因は究明されていませんが、アルミニウムの多量摂取や遺伝子異常によるものなどが原因として考えられています。病状は徐々に進行し、人格的に崩壊していくケースが多く見られます。 また、脳血管性認知症(痴呆)とアルツハイマー型認知症(痴呆)の両方が混在する複合型もあります。 また、脳以外の病気が原因で起きる認知症(痴呆)もあります。
- 甲状腺機能低下症
- 慢性心不全
- 薬物の副作用
- ビタミンB12欠乏症
などがあげられます。
萎縮・死滅してしまった脳を回復することはできませんが、病気の二次的症状として表れる認知症(痴呆)は原因となる病気を治療することで認知症(痴呆)も治療することができます。安易に恐れる必要はありませんが、おかしいな?と思ったらできるだけ早くに専門医の診察を受けましょう。専門医を訪れる前にかかりつけの医師に相談するだけでもよいでしょう。また、診察が受けられる科は精神科や神経内科などです。
認知症の症状
認知症状の総称を『認知症候群』と言います。認知症候群は、中核障害症候群と周辺症状に分けられます。
中核障害症候群
- 記憶力の低下
- 記憶には短期記憶(一時的に電話番号を覚えることなど)と中期記憶と長期記憶(幼かった頃の記憶など)があります。その中でも短期記憶が最も忘れやすく、痴呆が進むにつれて、新しいことから順に時代をさかのぼって忘れていくことになります。
- 見当意識の障害
- 見当意識とは、人・場所・日時などのことを言います。自分は誰なのか、息子は誰なのか、ここはどこなのか、今はいつなのかということがわからなくなってきます。記憶力の低下と深く関係しており、時代をさかのぼって忘れていくので、人の顔などは現在のことではなく、時代をさかのぼったところの記憶しかわかりません。昔のことなら聞いてもよく覚えているのに、どうして最近のことだとわからないんだろう...。そういう疑問をお持ちの介護者はたくさんいると思いますが、原因はここにあるのです。
- 理解・判断力の低下
- 何度言っても、できなかったり同じことを聞いてきたり...。どうして?と思われ、ストレスをためる介護者は少なくありません。しかし、これは痴呆による特徴的な症状でもあるのです。記憶力の低下というところで、新しい記憶は最も忘れやすいということはお話しましたが、これもそれと関わってきます。聞いても、その記憶はすぐに忘れてしまうのです。その上、見当意識がずれてくるのですから、理解したり判断したりすることが困難になってくるのは当たり前なことなのです。
周辺症状
痴呆症の行動は、私たちにとって理解し難い行動が多いかもしれません。しかし、それらにはちゃんと意味があるのです。そういったことを汲み取った介護をすることによって、痴呆による問題行動はおさまるのです。
具体的な対処法は、『認知症高齢者の介護 』のところでお話します。
- 昼夜逆転
- 昼間に寝て、夜中になると起きてくるという症状です。
- 徘徊(はいかい)
- 具体的な目的を持たず、しかし精神的に迫られて歩き続ける行動をいいます。とはいえ、患者に聞いてみると「家に帰る」「・・へ行く」などの目的がある場合も多い。
- 情動失禁
- 急に起きた感情をコントロール出来ずに、わっと出してしまって止まらない状態のことです。少しの刺激で泣いたり、怒ったりする状態で、情動の調節の障害によって起こります。